Tuesday, February 28, 2006

またまた友人のブログから

最近、友人のブログなどを見るのがとても楽しいです。久しぶりのこのエントリーでは、雑誌の編集に携わる友人の素敵なコトバを載せてみたいと思います。
いつもより暖かい帰り道。
春が近くなると夜の空気がやわらかくなる。
気持ちいいなー。
時々目をつぶりながら歩いてたら、
この先作ってみたい本のことが、頭にふわーと浮かんできた。

誰かの本棚に、30年くらい置いてもらえる本が作りたい。
まんまん中じゃなくて、どちらかと言えば隅の方。
立派なケースじゃなくて、例えばキッチンの横の
作りつけ収納棚に無造作に詰め込まれた本の内の一冊。
何回もページをめくられて、はじっこの方が丸まってたり
背表紙が半分とれてたりするくらい、手垢がついてるほうがいいな。
お母さんが若い頃に買ったものを、
いつの間にか娘が勝手に引っ張り出してきて読んでて、
「あ、それ読んでるの?」
「うん。けっこう面白いね。」
なんて短く言葉を交わしたりする。
内容は料理でも童話でもなんでもよくて、
けっして大げさに声高に何かを主張してはいないけれど、
必要なことがちゃんと書かれていて、だからいつまでも古びない本。

一生の内に一冊でも二冊でもそういう本が作れたら、
あとは好きな人や友達や家族と一緒にいられれば満足だなあ。
そう思ったら今までクヨクヨしてたことが、
全然ちがった風に見えてきた。
仕事のことについても、ちっとも焦る必要ないじゃん、という感じ。
大事なことを見失わないようにして、毎日の仕事を
しっかり、楽しんでやっていけばいいだけのことだ。
そして何より、ずっと忘れていた本についての
楽しくて幸せなたくさんの思い出を久しぶりに思い出した。
やっぱり私は本が、それから本を作るこの仕事が、大好きなんだ。
まだこの先どんな人生になるのか全然わからないけれど、
今日考えたことはきっと大切なひとつの芯になる気がする。
うん。これからどうなっていくのか、だんだん楽しみになってきたぞ。

自分は自分の大好きなことをやっているんだ、こんな感覚ほど素敵なものはないですよね。そういう気持ちを大切に出来る人は、きっと自分の真ん中に簡単に揺るいだりしない芯を持てる人だと思います。

僕はつい数週間前、自分のエッセイの質と時間管理の仕方にちっとも満足が出来ていない云々というエントリーを書こうとしてました。自分が熱中しているときにどうやってその没頭している自分を妥協させるか、これは前からずっと僕に付きまとっている問題で、このことでどうしようもない気分になってしまうことがしばしばありました。最近は、自分を責めたてて問題を解決しようとするんじゃなくて、自分のやっていることを最高に楽しんでいる自分をもっとよく理解してあげたらどうだろう、と思いはじめています。

だって、妥協せずに色々な人の考えや自分の考えを突き詰めていくなかから出てくる意外性と楽しさは本当に最高のものだし、そうやって歴史から学ぶことには、つまらない専門性以上の何かが得られると僕は確信しているし、それに実際に評価だって少しはついて来ているはずだし、そうやってこれまでやってきた自分を否定してもしょうがないかな、って。きっと自分の内側をもっとよく見て、それと上手く付き合っていかれたら意外と今まで気張ってきたところでスルッと力が抜けるんじゃないかな? とそう思うんです。

そういえば、こないだイノッチのウェブサイトから引用して、自然体でいたいと言うようなことを書きました。それ以降、学部の友人なんかとも変に構えたりせずにやっていってます。なんだか気持ち良いです。

2 Comments:

At Wednesday, 01 March, 2006, Anonymous Anonymous said...

こんにちは。
こんな風に引用してもらえるなんて
思ってもみなかったので
うれしいハプニングです。
ありがとうね。

KOJIくんの文章がいいたいこと、
わかる気がする。
違う場所にいるんだけど、
同じように何かに取り組もうと
してるんだな、と思います。
どんな選択でもそれを尊くするのは
きっと本人次第なんだよね。

それにしても、こうやって離れてても
共感しあえるのは大人の特権だよね。
そう思うと社会にいるのって悪くないねえ。

 
At Monday, 06 March, 2006, Blogger Koji said...

Snowdomeさん!

なんだか、どこかを切り取ってしまうと、Snowdomeさんらしさが損なわれてしまう気がしたんだ。だから、エントリーをまるまる紹介することにしたんだ。

お礼はこっちがするほうだって。
Snowdomeさんの書いたこと、琴線に触れたというか、じんわりとしみいってきてますから。

 

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